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コーティング事例紹介vol.2「ディッピングによるハードコート加工」

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コーティング事例紹介vol.2「ディッピングによるハードコート加工」

ハードコート加工において、ニデックでは塗工方法の1つとしてディッピングによる受託加工行っています。今回は、ディッピングの事例を2件ご紹介します。
「製品のキズを防ぎ外観品質を長く維持したい」「汚れをふき取りやすくしたい」などのお悩みを抱えている製品設計担当者様に、ご参考にしていただきたいハードコートの活用事例となります。



1.VR/AR用樹脂レンズのディッピングによるハードコート加工

VRゴーグル
背景

VR/ARゴーグル用のレンズは、一般的にデザイン、重量の観点から樹脂成形品で作られますが、樹脂成型品は擦りキズが入りやすく、表面にハードコートを塗工するケースがあります。また、レンズ自体も寸法安定性、面精度を求められるため、一般的なPMMA、PC以外の特殊な樹脂も使用されます。そのため、特殊な樹脂に密着性の良いハードコート剤や、外観品質や面精度の良い加工方法の選定が課題となります。
これは、あるVR/AR用ゴーグルメーカーの製品設計担当者様よりニデックへご相談をいただいた事例です。

お客様のお悩み

  • VR/ARゴーグル用の樹脂レンズのキズを防ぎたい
  • 特殊樹脂にも密着性の良いハードコート剤と塗工先を探している
  • ハードコート後も面精度、外観品質を保ちたい

ニデックの提案

  • 有機・無機ハイブリッド型のハードコート剤Acier(アシェル)を提案
  • 面精度も良く、外観品質の良い塗工方法であるディッピングを提案(弊社の受託サービス加工)

解説
弊社の有機・無機ハイブリッド型のハードコート剤Acier(アシェル)は、特殊樹脂にも密着性が良く、高硬度で、優れた耐擦傷性を持つUV硬化型のハードコート剤です。また、防汚性能も付与しております。(性能は表1参照)
塗工方法のディッピング(ディップコート)は、眼鏡レンズや光学部品など、外観品質、面精度を求められる場合に用いられる塗工方法となります。本件、受託サービス加工の事例ですが、弊社のハードコート剤に合わせた独自設計の洗浄を含む工程により、優れた外観品質の製品を実現し、お客様にご提供させていただきました。


表.1 Acier性能表

項目 試験条件 結果
透過率 JIS K7361-1 92.2%
鉛筆硬度 JIS K 7136 0.2%
擦傷性 スチールウール#0000, 1 kg荷重 100往復 キズ0本
接触角 θ/2法による 106°(水)
耐湿熱性 60℃, 90%RH, 1000 h 異常なし

※使用基材:PMMA 基材 (厚さ2 mm)
※塗工方法:バーコーター、膜厚約11 μm 
※硬化条件:高圧水銀ランプ80 W/cm、積算光量 900 mJ/cm²
※特性は参考値であり、保証値ではありません

結果

特殊樹脂にも密着性がよく、優れた外観品質のハードコートが塗布されたVR/ARゴーグル用レンズを実現できました。ハードコート塗工先選定の悩みも、ハードコート剤メーカーである弊社受託サービス加工(ディッピングによる加工)を行うことで解決させていただきました。

擦傷性試験後の外観
擦傷性試験後の外観
(スチールウール:#0000、1 kg 荷重、10往復)
【写真左】
ハードコートなしPMMA板

【写真右】
Acier(ハードコート)を塗工したPMMA板



2.車載用ディスプレイカバーのディッピングによるハードコート加工

ディスプレイカバー
背景

車載用のCID(Center Information Display)やメーターパネルカバーは、PMMAやPC樹脂成形品となるため、ふきキズが発生し問題となることがあります。また、汚れも付きにくく、ふき取りやすいカバーにしたいという要望もあります。これらの対策としてハードコート加工が検討されますが、サイズが大型化し、横幅が1mサイズともなると対応できる加工メーカーも少なく、加工メーカーの選定も課題となっていました。そこで1mサイズのハードコートのディッピング加工ができるニデックにご相談をいただきました。

お客様のお悩み

  • 横幅1mサイズの製品にハードコート加工をしたい
  • ハードコート剤は、硬度はもちろん、汚れも付きにくく、ふき取りやすいものがよい

ニデックの提案

  • 独自設計した大型ディップコート機による有機・無機ハイブリッド型ハードコート剤Aceir(アシェル)の受託加工を提案

解説
ニデックの大型ディップコート機は、1000m×300mm×80mmサイズ製品まで塗工可能です。前工程の洗浄工程も独自設計しており、優れた外観品質も確保できます。ディップコートの一つのポイントは製品形状に合わせた治具設計がありますが、今回、製品設計の段階から相談し、検討できたことがより品質の良い製品に繋がりました。
また、ニデックにて独自設計開発したUV硬化型のハードコート剤は、各種ラインアップがありますが、有機・無機ハイブリッド型のAcier(アシェル)が採用されました。硬度も高く、防汚性も付与しており、汚れが付きにくく、ふき取りやすいという要望にマッチしました。

大型ディップコート機
大型ディップコート機
Acier


結果

横幅1mサイズのパネルへのハードコート塗工(ハードコート付きパネル)が実現しました。
表面硬度も上がり、ふきキズが付きにくく、汚れも付きにくく、ふき取りやすいカバーパネル製品を実現できました。




3. お問合せ

ディッピングによる2種類のハードコート塗工事例をご紹介させて頂きましたが、このようにハードコート剤の販売に加え、ハードコート塗工の受託加工サービスも行っております。
プラスチックのキズ、汚れなどの対策に困っていることがありましたら、一度、ハードコート塗工をご検討してみてはいかがでしょうか。
各種用途に合わせたハードコート剤のご提案もしておりますので、ご相談ごとやご要望等ありましたら、以下のお問い合わせフォームよりお気軽にお問い合わせください。



※画像はイメージです。



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