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ニデックのコーティング事例紹介vol.1「反射防止膜(ARコート)のカスタマイズ提案」

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ニデックのコーティング事例紹介vol.1「反射防止膜(ARコート)のカスタマイズ提案」

今回は、反射防止膜(ARコート)のカスタマイズ要望について、事例を2件ご紹介します。
2件の事例は、いずれもあるセンサーメーカー様のお悩みや、ご要望に対する解決策として、反射防止膜(ARコート)のカスタマイズ対応をした事例となります。
同じようなお悩みをお持ちの製品設計担当の方にご参考にして頂ければと思います。


1.近赤外線用ARコートのカスタマイズ提案

可視域のカメラカバー
背景

センサーメーカーのA社様には、可視域のカメラカバー用に弊社のLequa-DryスタンダードARコート(可視域の反射を抑えた標準特性の反射防止膜)を採用して頂いていました。
今回、新たに近赤外線(波長850nm付近)を利用したセンサーを製品化することとなり、このセンサーカバーを検討されることになりました。最初に一般的なアクリル板(反射防止膜(ARコート)がないアクリル板)の利用を検討されましたが、このカバーを付けることにより透過率低下(感度低下)が確認されたため、近赤外線センサー帯域において、より透過率の高いカバーの要望が出てきました。そこでLequa-DryスタンダードARコートを納入しているニデックへ問い合わせが来ました。
ニデックのLequa-DryスタンダードARコートは、可視域の反射防止膜(ARコート)であるため、反射防止膜(ARコート)なし品と同様で近赤外線領域での透過率低下(感度低下)の課題はありました。

お客様のお悩み

  • 近赤外線850nm付近で感度低下の少ないセンサーカバーが欲しい
  • カバーなので、汚れが付きにくくしたい

ニデックの提案

  • Lequa-DryスタンダードARコートをカスタマイズ設計し、近赤外線センサー帯域の850nm付近の反射を最も低くし、透過率(感度)を上げた反射防止膜(ARコート)を提案。
  • 再表面には防汚コートを施し、汚れも付きにくく、ふき取りやすい表面処理を提案。

解説
スタンダードARコートは図1の反射率特性、今回提案した近赤外線ARコートは図2の反射率特性。スタンダードARコートに対して、層構成、膜厚を設計変更し、近赤外線領域での反射率がボトムになる特性を実現しております。
また、弊社の反射防止膜(ARコート)は、枚葉式(バッチ式)の連続真空蒸着機による誘電体の多層膜コートとなりますが、この方式はバッチ毎にカスタマイズ設計した反射防止膜(ARコート)の加工が可能となることもあり、今回の様に膜構成と膜厚設計を変えたカスタマイズ提案が可能でした。一般的に、ロールコーターやWetタイプ(湿式)による反射防止膜(ARコート)は、装置構造上、層数や膜厚の変更などの設定変更が難しく、カスタマイズも難しいとされておりますが、弊社の真空蒸着による反射防止膜(ARコート)は、これを得意としています。

図1. スタンダードARコート特性

図1. スタンダードARコート特性
図2. カスタマイズした近赤外線ARコート特性

図2. カスタマイズした近赤外線ARコート特性


結果

近赤外線センサー波長(850nm付近)において、感度低下の少ないセンサーカバーを実現し、製品に採用されました。また、カバー表面は、防汚コートにより汚れも拭き取りやすくメンテナンス性も良く、より付加価値のある製品を実現できました。




2.可視域+近赤外線用ARコートのカスタマイズ提案

可視域のカメラと近赤外線センサー
背景

センサーメーカーのA社様は、新製品として、さらに可視域のカメラと近赤外線センサー(940nm付近)を組み合わせた製品を検討することになり、この両者、可視域と近赤外域(940nm付近)で透過率低下の少ないカバーの要望が出てきました。当初は、カメラ部と近赤外センサーで別々のカバーの検討で進めていましたが、デザイン、操作性の観点から1枚のカバーで進めることとなり、可視域と近赤外線領域において透過率低下の少ないカバーが必須となり、再度、ニデックへ相談が来ました。

お客様のお悩み

  • 可視域と近赤外線940nm付近の両帯域において、透過率(感度)低下の少ないセンサーカバーが欲しい
  • カバーなので、汚れが付きにくくしたい

ニデックの提案

  • Lequa-DryスタンダードARコートをさらにカスタマイズ設計検討し、可視域(特に500~600nm帯域)と近赤外の940nm付近の反射を低くした反射防止膜(ARコート)付きセンサーカバーを提案。
  • 再表面には防汚コートを施し、汚れも付きにくく、ふき取りやすい表面処理を提案。防汚コートは以前よりさらに汚れが拭き取り易いタイプへバージョンアップ。

解説
今回提案した可視域と940nm付近の近赤外線領域の反射を低くした反射防止膜(ARコート)の反射率特性は図3となります。
上述1.のカスタマイズ提案と同様に、バッチ毎にカスタマイズ設計品の加工が可能な連続式真空蒸着機による検討により実現できました。今回はスタンダードARコートよりも、よりワイドな特性にする必要がありましたので、膜構成において、層数を何層か増やした設計を検討しました。設計のポイントは、生産バラツキの影響がより少なくなるような膜厚設定や層数の検討をすることなります。場合によっては試作加工を実施し、検討して設定することもあります。

図3. 可視域+近赤外線ARコート特性

図3. 可視域+近赤外線ARコート特性
大型連続式真空蒸着機

大型連続式真空蒸着機


結果

可視域のカメラ部と近赤外線センサー波長(940nm付近)の透過率低下(感度低下)の少ないセンサーカバーが実現し、製品採用されました。このセンサーカバーにより、当初想定していた部品点数が2部品から1部品にすることができ、かつより製品のデザインの幅も広がりました。
センサーカバー表面においても、バージョンアップした防汚コートにより、さらに汚れも拭き取りやすく、メンテナンス性も良いカバーを実現できました。




3. お問合せ

2種類のLequa-Dryのカスタマイズ事例をご紹介させて頂きましたが、今回のように特定波長や、特定の2波長の領域に対する反射防止膜の設計が可能です。近赤外線センサーに限らず透過率や、感度、反射に対して、困っていることがありましたら、カスタマイズ検討することで改善できる可能性があります。
今回は反射を抑える反射防止膜の事例をご紹介しましたが、逆に反射を上げるミラーの様なカスタマイズも検討可能です。
このようなお困りごとやご要望がありましたら、以下のお問い合わせフォームよりお気軽にお問い合わせください。一度ご検討・ご提案させて頂きます。


※画像はイメージです。



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