1. HOME
  2. コーティング豆知識
  3. 事例集
  4. 反射防止膜(ARコート)付きシート - 活用例と注意点 -

コーティング豆知識

反射防止膜(ARコート)付きシート - 活用例と注意点 -

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
反射防止膜(ARコート)付きシート - 活用例と注意点 -

各種モニター前面板に使用されている反射防止膜(ARコート)付きシートですが、「どのようなモニターで使用されていますか?」「使用上どのような注意点がありますか?」などのお問合せをよくいただきます。今回は、弊社のARコート製品 “Lequa-Dry(レクアドライ)付きシート”を例に挙げて、活用例と注意点をお伝えします。
反射防止膜(ARコート)付きシートをご検討される際のご参考にしていただければと思います。


1. 反射防止膜(ARコート)付きシートの活用例

反射防止膜(ARコート)付きシートは、主に各種モニター(各種ディスプレイ)の前面板として使用されます。一般的に前面板はモニターを保護する目的で設置されますが、前面板の反射光が問題となることがあります。この問題を解決するため、反射防止膜(ARコート)付きシートを前面板として使用することとなります。 反射防止膜(ARコート)付きシートが必要なモニター例を以下に挙げ、その特徴・要望をご紹介します。

各種モニター

医療用モニター 特徴
医療用モニター ARコート仕様 耐薬品性向上仕様 (アルコール除菌清掃、各種薬品に対する要望)
シート材料 PMMA、ガラス
その他 ARフィルム貼合品の構成もあるが、ダイレクトにARコートされたシートの要望も高い
 
産業機器用モニター 特徴
産業機器用モニター ARコート仕様 スタンダード仕様
シート材料 PMMA
その他 数インチの表示パネルから20インチ程度まで様々なサイズの要望がある
 
重機用モニター 特徴
重機用モニター ARコート仕様 耐光性向上仕様
シート材料 PMMA
その他 半屋外使用のため、耐光性に強いARが要求される
 
TV用モニター 特徴
TV用モニター ARコート仕様 大型化にも対応できるWET AR
シート材料 PMMA
その他 弊社では、WET AR方式にて60インチまで対応
 
車載用モニター 特徴
車載用モニター ARコート仕様 耐光性・擦傷性向上仕様
シート材料 PMMA、PMMA/PC、ガラス
その他 メーターパネルやナビゲーション用パネル向けに活用され、
各車載メーカースペックに対応できるARコートが要求される
 
鉄道用モニター 特徴
鉄道用モニター ARコート仕様 耐光性向上仕様
シート材料 PMMA、PMMA/PC、PC
その他 各種掲示板など、大型化の要望も増えている

 

その他

反射防止膜(ARコート)付きシートは、上記の各種モニター前面板以外にも、以下のようにカメラの保護カバーなどにも活用されています。可視域に加え、近赤外域にも対応した反射防止膜の要望も増えています。

監視カメラカバー 特徴
監視カメラカバー ARコート仕様 スタンダード仕様、可視域+近赤外域仕様
シート材料 PMMA
その他 用途により各種近赤外カメラの波長に対応したARコートの要望もある
 
近赤外線センサーカバー 特徴
近赤外線センサーカバー ARコート仕様 各センサー波長仕様
シート材料 PMMA
その他 可視域波長のセンサーや近赤外波長のセンサーなど、それぞれの センサー波長に対応したARコートの要望



2. 反射防止膜(ARコート)付きシートの材料と注意点

反射防止膜(ARコート)付きシートは、主に上記のように各種モニターの前面板として使用されますが、用途により要求される仕様は異なります。反射防止膜(ARコート)付きシートを採用する際に必要な検討内容・注意点をご紹介します。


シート材料

一般的に多く使用されているシート材料は、アクリル材(樹脂)となりますが、アクリル以外にも以下の樹脂材料が使用されています。

シート材料 特徴
PMMA
アクリル
  • 光学性能が優れ、高硬度
  • 吸湿しやすく、衝撃により割れる
PC
ポリカーボネート
  • 耐衝撃性、耐熱性に優れる
  • 複屈折が生じやすく、耐溶剤性に弱い
PMMA/PC
アクリルとポリカーボネートの2層品
  • アクリルの表面硬度とポリカーボネートの耐衝撃性を兼ね備えている
PMMA/PC/PMMA
アクリルとポリカーボネートの3層品
  • アクリルの表面硬度とポリカーボネートの耐衝撃性を兼ね備え、温湿度による変形も少ない

 

求める物性値とシート構成の関係

アクリルやポリカーボネートといった樹脂(プラスチック)材料の反射防止膜(ARコート)付きシートは、ダイレクトに反射防止膜(ARコート)層が加工されているのではなく、ARコートの密着層とキズ防止を目的としたハードコート層(下地層)を設け、その上にARコート加工をします。また、最外層には、汚れ防止の為、撥水/防汚コート加工をするのが一般的です。
加えて、シート材料とハードコート層に合わせたARコート加工条件も検討されます。適切なARコート加工をするために、用途に合った耐久性を事前に確認しておくことが必要となります。

反射防止膜(ARコート)付きシートの構成例

シート構成

保管方法・取り扱い方法の注意点

樹脂(プラスチック)材料の反射防止膜(ARコート)付きシートは、その樹脂材料に適した保管方法・取り扱い方法の注意点があります。

  • 直射日光を避けた冷暗所に保管する
    (樹脂種により、温度、湿度の影響で反りが発生する場合がある)
  • ラミネート包装の粘着剤は、経時変化により劣化しますので、ラミネートをした状態での長期保管は 糊残りの原因となるので避ける
  • ARコート膜は、特にアルカリ性の薬品に弱い傾向があるので、アルカリ性薬品の接触を避ける
  • その他の薬品・水分・汗などの影響でARコート膜が劣化する可能性があるため、これらとの接触を極力避ける
    付着した場合は、すぐに柔らかい布・レンズクリーニングワイパー等にエタノールもしくはメタノール を含ませて、シミが残らないようにゆっくり軽く拭き取る
  • 特殊な環境、条件下で使用する場合は、事前に確認する



3. お問合せ

今回は、反射防止膜(ARコート)付きシートの代表的な活用例と注意点をご紹介させていただきました。上記以外にも活用できる製品はあるかと思います。ARコートについて、ご相談ごとやご要望などございましたら、以下のお問合せフォームよりお気軽にお問合せください。弊社で検討の上、お客様のご要望に適したご提案をさせていただきます。



4. WEB販売

「ARコート付きシートを評価用で購入したい」という多くのご要望にお応えするため、WEB販売をはじめました。小さなサイズで1枚からご購入いただけます。ぜひお試しください。


※全ての画像はイメージです。

関連リンク

ARコートラインアップ 製品一覧
ARコートとは?
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

関連ページ

コーティング製品一覧

お問合せ   tel.0533-58-3451

お見積やサンプル提供も可能です。お気軽にお問合せください。



工場見学
資料ダウンロード
お問合せ
 
資料ダウンロード