有機溶剤(VOC)レスを実現「環境負荷を低減する無溶剤ハードコート」
目次
ニデックでは、独自のコーティング技術で環境保全をサポートするための製品開発に取り組んでおります。
今回は、有機溶剤(VOC)レスを実現した無溶剤ハードコートをご紹介させていただきます。
有機溶剤(VOC)レス化により、従来ハードコートで必要だった溶剤乾燥工程を必要としなくなるため、温室効果ガス(CO2)削減対策にも繋がります。
サステナブルな循環型社会に向けて、環境貢献製品をご検討される際のご参考にしていただければと存じます。
1. VOC・CO2排出削減効果
- 環境・人体への影響を軽減した、有機溶剤(VOC)レスのUV硬化型ハードコート剤。
- 溶剤レス=乾燥レスで、CO2排出量の削減に貢献できることになります。
一般的なハードコートの構成を溶媒成分(有機溶剤)50%固形分50%とすると、 無溶剤ハードコートは溶媒成分(有機溶剤)50%を削減。 |
用語解説溶媒成分(有機溶剤)一般的なハードコート剤に含まれる、塗工後蒸発する成分。塗工性・仕上がり状態・物性などを考慮し必要とされる。環境・人体へのリスクが懸念される。 固形分塗工後、コート膜として残る有効成分。 |
2. 特長・特性
- 各種樹脂材料(PMMA、PETなど)に密着し、透明性も高い。
- レベリング性が良く、一般的な溶剤タイプのハードコート剤と同様の外観を実現。
項目 | 試験条件 | 結果 | |||
PMMAシート 2 mm |
PETフィルム 100 μm |
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膜厚 | - | 10μm | 20μm | 10μm | 20μm |
透過率 | JIS K 7361-1(ヘイズメーター「日本電色工業製NDH5000」にて測定) | 92.2% | 92.1% | 91.6% | 91.7% |
ヘイズ | JIS K 7136(ヘイズメーター「日本電色工業製NDH5000」にて測定) | 0.2% | 0.2% | 0.7% | 1.0% |
屈折率 | 反射率測定(オリンパス社製USPM-RUⅢ)から算出 | 1.50-1.51 | 1.50-1.51 | 1.50-1.51 | 1.50-1.51 |
密着性 | クロスハッチセロハンテープ剥離法(3回) | 異常なし | 異常なし | 異常なし | 異常なし |
鉛筆硬度 | JIS K5600-5-4(荷重750 g) | 4H | 6H | 2H | 2H |
擦傷性 | スチールウール#0000, 500 g荷重 100往復 | キズ0本 | キズ0本 | キズ0本 | キズ0本 |
接触角 | θ/2法による | 105°(水) | 105°(水) | 105°(水) | 105°(水) |
塗工方法:バーコーター
硬化条件:高圧水銀ランプ 80 W/cm、積算光量 1000 mJ/cm2
※ 特性は参考値であり、保証値ではありません
3. 液性状
項目 | 試験条件 |
粘度(25℃) | 60-80 mPa・s |
外観 | 淡黄色透明液体 |
固形分 | 約100% |
安定性 | 室温3カ月粘度変化無し |
想定塗工方法 | スプレー, スリットダイ, フロー, グラビア, インクジェット |
4. 用途例
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5. お問合せ
今回ご紹介させていただいた無溶剤ハードコートや、その他環境に貢献するコーティング製品について、ご要望やご相談などございましたら、お気軽にお問合せください。弊社で検討の上、ご要望に適したご提案をさせていただきます。
※全ての画像はイメージです。