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ハードコートで汚れ・キズから製品を守る!コーティングのメリットや特徴を解説

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ハードコートで汚れ・キズから製品を守る!コーティングのメリットや特徴を解説

開発に注力し、ようやく完成した製品(プラスチック・金属など)において、汚れやキズに弱いという課題が発生する場合があります。しかし、製品の素材そのものの変更が難しいことはよくあります。その場合には、コーティング技術によって製品の表面を守るという対策があります。ここでは高硬度でかつ高い耐擦傷性、優れた防汚性能を有するハードコートについて、その特徴と製品に対する効果を解説していきます。

 

1. ハードコートとは

ハードコートは、製品の表面をキズや汚れから守るために、表面に被膜を施す技術です。はじめにハードコートが必要な製品の課題について解説していきます。


ハードコートで解決できる課題

ハードコート技術を活用することにより、自社製品の悩みを解決できる可能性があります。キズ、汚れの課題に対する対策には、以下のような例があります。

パネル表面の外観(耐キズ)を確保したい
タッチパネルのように頻繁に触れる対象に対して、キズや汚れを防止し、外観や操作性を維持します。

読み取りセンサーの誤動作を減らしたい
使用環境によっては、キズや汚れによるセンサーの誤動作で検査ラインの停止が発生するというようなことがあります。ハードコートにより検出面の汚れやキズを防ぐことで、誤検出を減らすことができます。

特殊樹脂レンズをキズから守りたい
特殊樹脂レンズは一般的な樹脂と比べて重量が軽い、破損に強い、耐熱性が高いといったメリットがありますが、一般的な樹脂と同様にキズの付きやすさは課題となります。ハードコート処理によって、この課題を解決し用途を広げることができます。
 

2. 有機系ハードコート剤 コンポジットハードコート剤 ハイブリッドハードコート剤の比較

ハードコートは、材料により有機系ハードコート剤、有機材料に無機材料が混在したコンポジットハードコート剤、有機材料と無機材料を化学結合させたハイブリッドハードコート剤の3タイプがあります。この3タイプのハードコート剤について特徴を解説します。

有機系ハードコート剤

有機材料のみで作られた有機系ハードコート剤は、一般的に用途によっては硬度と耐久性が十分とは言えない場合もあります。これらを解決する為に複数の材料(アクリレート、ウレタンアクリレート系のモノマー、オリゴマー)で調製設計されたものが、開発されています。表面硬度を優先するハードコートから、柔軟性も兼ね備えたハードコートまで多種多様なハードコート剤があります。

コンポジットハードコート剤

コンポジットハードコート剤は、有機材料と無機材料が混在した状態のコート剤になります。有機材料と無機材料の両方の特性を併せ持つ材料として、幅広く検討されています。

ハイブリッドハードコート剤

ハイブリッドハードコート剤は、有機材料と無機材料が化学結合されているコート剤となります。有機・無機のハイブリッド化により、有機系ハードコート剤、及びコンポジットハードコート剤よりも高硬度で耐擦傷性に優れた塗膜を実現しています。




3. UV硬化のメリット

ハードコート剤を固める硬化方法の中で、紫外線(UV光)を利用したUV硬化があります。UV硬化によるメリットを解説します。

UV硬化型ハードコートとは?

UV硬化型ハードコートは、紫外線(UV)の利用したハードコート剤となります。UV光を受けた光重合開始剤が励起しラジカルを発生させ、塗膜成分が重合していきます。長時間の高温度環境を必要とせず、短時間での処理が可能です。そのため生産性が高く、多様な用途への展開が容易となります。UVコーティング技術は生産性・効率性に富んだ技術として、従来から注目されています。

UV硬化型ハードコートのメリット

UV硬化型ハードコートが広く活用される要因としては、以下のようなメリットが挙げられます。

硬化時間が短い
UV硬化型ハードコートの特性として非常に硬化速度に優れるため、硬化時間が短くてすみます(数秒レベル)。そのため大量の製品に対して処理を行っても、製造ラインのボトルネックになりにくいのがメリットです。

長時間の熱硬化処理が不要
熱硬化型ハードコートは、長時間の熱処理を必要としますが、UV硬化型ハードコートは、長時間の熱処理が不要となり(オーブンなどの装置も不要)、電力も削減できます。
但し、UV照射をするUVランプは必要となります。

塗料ライフが長い
UV硬化型ハードコートは、熱硬化型ハードコートと比較して液の安定性に優れ、長期にわたって保管が可能となります。液の交換サイクルを延ばすことができ、コスト削減にも貢献します。

 

4. ハードコート活用の事例

優れたコーティング性能を付与できるハードコートは、生活の様々な場面で広く活用されています。ハードコートの主な活用事例は、以下が挙げられます。 

  • ヘッドランプ、テールランプ
  • センサー表面の樹脂部(カバー)
  • 各種パネルや前面板など
  • 折り畳みスマホ、タブレットなど
  • 各種家電製品、機器の筐体など



最近では指紋汚れを防ぐ「耐指紋性」や、フレキシブル基材へ対応する「柔軟性+高硬度」などの、新しいニーズも生じています。それらのニーズに対応する機能を持たせたコーティング剤は、次々に開発され、検討が進んでいます。すでに社会に広く浸透しているハードコート技術ですが、今後はさらに活用の場所が広がっていくことになるでしょう。

5. 日々進化するハードコート技術

かつてのハードコートでは「耐久性や硬度が不足している」「加工工程で対象物に損傷を与えるリスクがある」などの課題がありました。現在は有機・無機ハイブリッドタイプのUV硬化型ハードコートなど、以前のコート技術の課題・欠点を補いさらに高次元の機能を付与するコーティングが登場しています。なかには高耐擦傷性と高耐久屈曲性を両立するといった優れたハードコート剤もあり、用途に合わせた選択が可能です。ハードコートの特性から商品の汚れやキズ防止へのヒントを得て、自社の製品に活用をしてみてはいかがでしょうか。 

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