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誘電体ミラー(加飾・装飾ミラーコート)

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誘電体ミラー(加飾・装飾ミラーコート)

ARコート(反射防止膜)は、反射を低減させる・反射を抑える膜ですが、逆に意図的に反射させる膜(ミラーコート)について紹介します。

1.誘電体ミラーとは

「ミラー」と聞くと一般には“鏡”の様な物を想像されるかと思いますが、“誘電体ミラー”は“金属ミラー”とは異なるものです。一般的な“鏡”は、“金属ミラー”となり、アルミ等の金属が使用されています。
誘電体ミラーとは一般に金属ではない誘電性のある材料(絶縁体としてふるまう材料)を利用したミラーのことです。 
自然界にある身近な“誘電体ミラー”としては「真珠」が挙げられます。
「真珠」の輝きや、外観がピンクやグリーンに見えるのは、誘電体ミラーと同じ様に「反射」と「干渉」の両方の性質を持つためです。

 mame_y_mirror_01.jpg

2.誘電体ミラーと金属ミラーの違い

【光学特性】
“金属ミラー”は、膜表面で光を「反射」させている為、反射色は入射光に依存します。

“誘電体ミラー”は、膜の表面と基材の表面とで「反射」と「干渉」の2つの現象が起きています。
光の「干渉」を利用することで、“金属ミラー”では難しい光の波長制御が可能になり、反射色を自在に操る事が可能となります。
また、“誘電体ミラー”は、この「干渉」の現象により、入射角が変わる(光路長が変わる)と反射色も変化し、特徴的な外観になります。
(一部、反射色の変化を抑えた“誘電体ミラー”の設計も可能です。)

mame_kouka.jpg


【電波透過性】
“金属ミラー”は一般に電磁波を吸収、反射してしまいます。 その為スマートフォンなどで金属ミラーを使用すると電磁波が遮られ、通信障害が発生する場合があります。
金属ボディを持つスマートフォンでも、一部樹脂が使用されているのはその為です。

“誘電体ミラー”は金属を使用していない為、電磁波が透過します。
上記の【光学特性】と併せて、「外観を損なわずに電磁波が透過する」為、携帯電話、スマートフォンで使用されます。



3.ニデックの装飾コート

ニデックでは、誘電体ミラーコートを装飾・加飾ミラーコートして、真空蒸着法により加工を行っております。
ニデックの装飾コートの使用例を御紹介します。

  • 携帯電話
  • スマートフォン
  • サングラス
  • プロンプター
  • メータ―パネル
  • HUD
  • 3Dディスプレイ


以下の様に、見る角度により、反射色が変化しますので、色彩に豊かな装飾コートを実現させることができます。

見る角度で色が変化

ご要望に応じて様々な反射色を設計可能です。以下が反射率特性、色相値例です。
また、ハーフミラー等の設計も可能です。

mame_y_mirror_05.jpg


4.終わりに

弊社では、お客様のニーズに合わせて様々な設計・成膜を行っております。
特に設計時に重要となるのが、お客様がご検討されている仕様です。
誘電体ミラーの場合は、「入射角」、「反射率」、「反射する波長帯若しくは反射色」この3点をお問い合わせ時にご教示頂ければ大まかな設計が可能です。
御気軽に御問合せ下さい。

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