環境規制の強化に伴い、コーティング業界でもPFAS（有機フッ素化合物）を含まない製品への転換が求められています。
こうした流れの中、弊社ではPFASを一切使用しない新しいハードコート剤の開発に取り組んでいます。
今回ご紹介するのは、環境への配慮をしながら、従来品でも求められていた、鉛筆硬度、擦傷性、防汚性の性能を維持したUV硬化型のハードコート剤です。
PFASフリーのUV硬化型ハードコート剤をご検討の際に、ご参考にしていただければ幸いです。

1. PFAS規制の現状

近年、環境規制の強化とサステナビリティへの関心の高まりを背景に、製品の環境負荷低減が求められる場面が急増しています。
特にPFAS（有機フッ素化合物）に関しては、欧州をはじめとする各国で規制が加速しており、産業界においても代替技術の開発と導入が急務となっています。

PFASは撥水性や耐薬品性に優れ、長年にわたり多くの製品に使用されてきましたが、その分解されにくさと蓄積性から「永遠の化学物質」とも呼ばれ、人体や生態系への影響が懸念されています。欧州ではREACH規則やPOPs規則により、PFOS、PFOA、PFHxSなどの使用が原則禁止されており、今後数年以内に約1万種類のPFASを対象とした包括的な規制が導入される可能性があります。

2. ニデックのPFASフリーUV硬化型ハードコート剤の特長

当社の新しいPFASフリー対応のUV硬化型ハードコート剤は、PFASを一切使用せず、以下のような従来品と同等の性能を実現しています。

1. 高硬度（鉛筆硬度）

表面硬度は鉛筆硬度で6H以上を達成。押し込みキズやひっかきキズに強く、長期間にわたり美観と機能を維持します。

2. 耐擦傷性（スチールウール耐性）

スチールウールによる擦傷試験でも優れた耐性を示し、日常的な摩耗に強く、過酷な使用環境でも表面の劣化を最小限に抑えます。

3. 防汚性（マジック弾き）

マジックペンなどの汚れが付着しても、簡単に拭き取ることが可能。清掃性に優れ、衛生管理が求められる用途にも適しています。

4．光学特性（透過率・Haze値）

光学部材への応用を想定し、高い透過率と低Haze値を維持しています。透明性が求められるディスプレイカバーやセンサー部材などでも、視認性や光学性能を損なうことなく使用可能です。

特性

用途イメージ

光学部材、車載関連、家電関連などの幅広い分野で期待できます。

3. 今後の展開：さらなる環境対応へ

当社では、PFASフリーの他のハードコートへの展開に向けた取り組みを進めています。

バイオマスハードコートへの展開

植物由来の原料を活用し、再生可能資源の利用を促進。カーボンニュートラルの実現に向けた取り組みとして注目されています。

無溶剤ハードコートへの展開

VOC（揮発性有機化合物）を含まない処方により、作業環境の安全性向上と環境負荷のさらなる低減を目指します。

4.お問い合わせ・サンプル請求

当社では、PFASフリーハードコートの性能をご確認いただける評価用サンプルをご用意しております。
光学性能、耐擦傷性、防汚性などの各種試験にご利用いただけます。製品開発や評価にぜひご活用ください。
また、ご希望の仕様や用途に応じたカスタマイズも承っております。ご要望やご相談などございましたら、お気軽にお問い合わせください。内容を踏まえ、最適なご提案をいたします。

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