コーティング事例紹介vol.4「キズ・汚れから製品を守るハードコート」

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ハードコート 
目次

今回は、ハードコート剤の採用事例を2件ご紹介します。
キズが付きやすい製品のお悩み、キズによるセンサー誤動作のお悩みに対して、ハードコートを活用した事例となります。製品のキズを防ぎ外観品質を長く維持したい、キズによるセンサーエラーを低減したい、などのお悩みをお持ちの製品設計担当者様にご参考にしていただければと存じます。

1.スマートフォン筐体へのハードコート


背景

プラスチック製のスマートフォン筐体は、表面のキズ付き防止として、硬度が高く、耐キズ付き性(耐擦傷性)が優れたハードコートが要求されます。また、カラーバリエーションとして、筐体自体の塗装を行ったり、ロゴマークを印刷することがあるため、これらの塗装・印刷部の保護膜(トップコート)としてのコーティングも要求されます。
今回は、より硬度が高く、耐擦傷性も優れ、塗装上に密着するハードコート剤の問い合せをいただいた事例です。

お客様のお悩み


ニデックの提案

  • クリアタイプとして、有機・無機ハイブリッド型ハードコート剤Acier(アシェル)を提案
  • マットタイプとして、Acier AG(アシェルエージー)を提案

解説
有機・無機ハイブリッド型ハードコート剤Acier(アシェル)は、高硬度、高耐擦傷性(高い耐キズ付き性)が特長です。また、カラー塗装、印刷部への密着性がよく、防汚性能も併せ持つクリアタイプのUV硬化型ハードコート剤となります。防汚性能により、汚れがつきにくく、拭き取りやすい表面にすることができます。(図1参照)
また、Acier AG(アシェルエージー)は、マット調タイプとなります。(図2参照)
今回の塗工方法は、スプレー塗工での要望でしたが、AcierAcier AGとも専用シンナーで濃度を調整することで、各社スプレー塗工機での加工が可能となります。

図1.Acier防汚性能(マジック弾き評価)


油性マジック:ゼブラ社マッキー
図2.AcierAcierAGの映り込み比較


結果

カラー塗装・印刷部に密着性がよく、高硬度で優れた耐擦傷性のトップコートを実現。スマートフォン筐体の保護膜として採用されました。最表面に防汚性能があるため、汚れが拭き取りやすくなり、製品の付加価値が向上しました。
塗工方法はご要望いただいた、スプレー塗工による加工で対応させていただきました。




2.センサーカバーへのハードコート


背景

近赤外線センサーカバー(センサー窓)は、その製品形状からプラスチック製(PC、PMMAなど)で検討されますが、このセンサー窓の表面キズは、センサーエラー(検出不良・誤動作)の原因となるため、対策が求められます。この対策として、より硬く、耐キズ付き性(耐擦傷性)に優れたコーティングの問い合せをいただきました。
今回、複数種の形状のセンサー窓へのコーティングの依頼でした。使用環境から中でもハンディタイプのセンサー窓は、より高硬度で、高い耐擦傷性が求められました。

お客様のお悩み


ニデックの提案

  • 有機・無機ハイブリッド型ハードコート剤Acier(アシェル)の加工を提案
  • 塗工方法は、各種3D形状にも対応可能なスプレー塗工を提案

解説
有機・無機ハイブリッド型ハードコート剤Acier(アシェル)は、高硬度、高耐擦傷性(高い耐キズ付き性)が特長となります。
また、防汚性能により、汚れを弾き拭き取りやすくする効果が期待できます。
塗工方法のスプレー塗工は、各種3D形状のセンサー窓に合わせて条件検討可能なロボットスプレーによる塗工です。ムラが少なく、再現性の高い塗工方法となります。このロボットスプレー塗工は、少量生産にも向いています。


ロボットスプレー塗工機

ハイブリッドハードコート剤 Acier(アシェル)

結果

高硬度、高耐擦傷性(高い耐キズ付き性)のセンサー窓を実現。センサーエラー(検出不良・誤動作)の低減につながりました。
また、センサー窓の表面は防汚性能があり、汚れを弾き、拭き取りやすくなり、メンテナンス性のよい製品になりました。




3. お問合せ

有機・無機ハイブリッド型ハードコート剤Acier(アシェル)の事例を2件ご紹介させていただきました。キズ、汚れなどの対策にお困りでしたら、ハードコート塗工をご検討されてはいかがでしょうか。
弊社では、今回ご紹介させていただいたAcier(アシェル)以外にも各種用途に合わせたハードコート剤のご提案もしております。ご相談・ご要望等ございましたら、以下のお問い合せフォームよりお気軽にお問い合せください。

お問合せフォームへ


※画像はイメージです。



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