ハードコートの評価では、「鉛筆硬度」と「擦傷性」が代表的な評価項目です。
一方で、鉛筆硬度と擦傷性の評価は、試験条件や判定基準が各社で異なる場合があります。
例えば鉛筆硬度では、キズのみを確認する場合もあれば、へこみまで含めて判定する場合もあります。
また擦傷性においても、スチールウールの番手、荷重、往復回数、観察方法によって評価結果が変わる場合があります。そのため、評価方法や判定基準について、お客様からお問い合わせをいただくことも少なくありません。
本記事では、鉛筆硬度と擦傷性について、ニデックの試験方法と判定基準をご紹介します。
ハードコートの仕様確認や製品選定にお役立ていただければ幸いです。
ハードコートの表面性能を確認するうえで、鉛筆硬度は欠かせない評価項目の一つです。
ただし、鉛筆硬度だけでは実使用時のキズつきにくさを十分に確認できない場合があります。
鉛筆硬度は、鉛筆の芯を用いてハードコート表面を引っかき、キズやへこみの有無を確認する評価です。
一方、擦傷性は、表面を繰り返し擦ったときに細かなキズが発生しないかを確認する評価です。
どちらも表面のキズつきにくさに関係しますが、用途に応じて鉛筆硬度と擦傷性の両面から確認することがポイントです。
鉛筆硬度では、ハードコート表面が引っかきに対してどの程度耐えられるかを確認します。
同じハードコートであっても、基材の硬さや厚み、塗膜の状態によって評価結果が変わる場合があります。
そのため、実際に使用する基材へ塗工した状態で評価します。
鉛筆硬度は、JIS K 5600-5-4において塗膜評価の方法として規定されており、ハードコートの表面性能を確認するうえでも一般的に用いられている評価方法です。
ニデックでは、JIS K 5600-5-4に準拠し、鉛筆硬度を評価しています。
6B~6Hの硬さの鉛筆の芯を使用し、750g荷重で試験を行います。
また、試験前には鉛筆の芯の研磨状態を確認します。芯の先端に欠けや面割れなどがある場合、キズの入り方や判定結果に影響する可能性があるためです。
鉛筆硬度の判定では、キズの有無だけでなく、へこみの有無も確認しています。
明確なキズがない場合でも、表面にへこみが残ることがあります。
JISでは、一部のキズやへこみを許容して判定する場合がありますが、へこみをOKとするかNGとするかは、各社の評価基準によって異なります。
ニデックでは、より厳しい基準で評価しており、キズがなくへこみのみが確認された場合もNGとして判定しています。
擦傷性では、繰り返し摩擦に対して、ハードコート表面にキズが発生しないかを確認します。
鉛筆硬度が引っかきに対する評価であるのに対し、擦傷性は、拭き取りや接触摩擦などを想定した評価です。
塗膜最表面のキズつきにくさを確認します。
擦傷性の評価では、スチールウールを用いた試験が一般的に行われています。
ニデックでは、スチールウールを用いて、ハードコート表面の擦傷性を評価しています。
評価では、所定の荷重と回数でハードコート表面を擦り、キズの有無を確認します。
透明部材の場合は、キズの見え方が観察条件によって変わるため、反射・透過の両方で確認します。
ニデックの評価例では、#0000スチールウールを使用し、1.0kg/cm2荷重で100往復擦った後、反射・透過でキズの有無やキズの本数を確認します。
擦傷性は、スチールウールの番手、荷重、往復回数、接触面積、観察方法によって評価結果の見方が変わる場合があります。
鉛筆硬度や擦傷性は、同じ数値や「キズなし」という表記であっても、試験条件や判定基準によって評価結果の見方が変わる場合があります。
たとえば鉛筆硬度では、キズだけを見るのか、へこみも確認するのかによって判定が異なります。
評価条件や判定基準によって2~3ランク異なる結果となる場合があります。
また、擦傷性では、スチールウールの番手、荷重、往復回数、観察方法によって評価結果の見方が変わる場合があります。
ニデックでは、お客様の要求品質や使用用途を確認し、試験条件や判定基準の目合わせを実施しています。
鉛筆硬度は試験条件や判定方法によって結果にばらつきが生じる場合があります。
そのため、機能性フィルムの評価では、ばらつきを抑える目的で近年開発された、JIS K 7317が検討されることがあります。
JIS K 7317は、鉛筆ではなくダイヤモンド製の圧子を用い、一定条件で荷重を制御して引っかき、判定方法も統一されていることが特長になります。
ハードコートの評価方法や製品選定についてご不明な点がありましたら、お問合せフォームよりお気軽にご相談ください。ご相談内容を踏まえ、最適なご提案をいたします。
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